まず、ご自身が何を目的に歯医者さんで治療を受けたいのかを明確にしましょう。「虫歯の治療がしたい」のか、「インプラントを入れたい」のか、「歯列矯正がしたい」のか、「歯を白くしたい」のか、その治療目的によって歯医者さんを選ぶ基準も異なってきます。
歯科治療においては、信頼のおける歯科医師の基で治療を受けることが大切です。特に治療内容について希望や不安な気持ちを汲み取ってくれて、インフォームドコンセントを重視している歯医者さんを選びましょう。
インフォームドコンセントとは、症状に対してどのような工程で治療を行なうのか、なぜ治療が必要なのかを患者さまが理解し、同意の上で治療を受けるために行われる治療成功への大切なプロセスとなります。
特に大きな治療を行う場合には、ただ病状を説明し同意書に記名するだけでは患者さまの不安や疑問はぬぐえず、「患者さまの知る権利」「自己決定権」を奪いかねません。
歯科医院を選ぶ基準として、「十分な設備が整っている」ことが重要です。治療を行なうユニットはもちろんのこと、以下が主な歯科医療設備となります。
・レントゲン
目に見えない、骨の状態を確認する場合に必要となるレントゲンです。初診時にお口の中の状況を把握するために撮影することが一般的です。
・CTスキャン
レントゲンで得られる情報は限られてしまうため、インプラント治療などで必要となる神経や血管の走行、インプラントを埋入する予定の周囲組織の状況を3次元的に解析できるため、外科的治療を行なう際には欠かせない設備となります。
・オペ室
インプラントなどの外科治療を行なう歯医者さんでは、オペ室が設けられています。ホコリや粉塵、飛沫感染、接触感染、空気感染を防ぐことが可能となります。また、一般治療で着用している白衣ではなく、オペ室では滅菌された手術着を着用することが好ましく、清潔な環境下で治療できることが求められています。
・口腔外バキューム
歯や補綴物の削りカス、唾液や血液をはじめ、歯科治療ではお口の中以外でも入れ歯を削ったり、仮歯を作製したりと、空気中に目に見えない細かな粉塵が処置室内に飛び散ります。それら粉塵を口腔外バキュームで吸引する歯科設備となります。
・レーザー
口内炎治療、歯肉切開に活用され、一般的なメスを使用した処置よりも綺麗に切開することが可能であり、術中の出血量を抑え、治癒も早いとされています。
・マイクロスコープ
脳外科手術などでも使用されているマイスクロスコープは、患部を5~20倍に拡大し、明瞭な視野を確保し、目視だけでは困難であった治療を可能にします。
院内感染対策を徹底している歯医者さんを選びましょう。歯科医療における院内感染を予防することは非常に重要であり、院内感染対策を怠っている場合には以下のような疾病に感染するリスクを伴うために、注意が必要となります。
【血液や体液を媒介して感染する恐れのある疾病】
・HBV(B型肝炎ウイルス)
・HCV(C型肝炎ウイルス)
・HIV(ヒト免疫不全ウイルス)
【空気感染する恐れのある疾病】
・水痘
・結核
・麻しん(はしか)
【飛沫感染する恐れのある疾病】
・風疹
・流行性耳下腺炎
・インフルエンザ
・新型コロナウイルス
これらの疾病を予防する対策は以下の通りとなります。
【ディスポーサブル用品の徹底】
歯科治療をおこなう際には、多くのディスポーサブル品を患者さまごとに交換し対応しています。しかし、経費削減などの理由から使い回すケースも報告されており、ディスポーサブル品を使い回すことは、院内感染対策とは言えず、疾病に感染するリスクが高まります。
以下が歯科治療で使用する、主なディスポーサブル用品です。
・手袋(グローブ)
・マスク
・エプロン
・紙コップ
【滅菌管理の徹底】
お口の中で使用する器具や血液、唾液が付着する可能性がある医療機器は、滅菌管理が必要となります。例えば、ミラーや探針、ピンセットなどを滅菌器にかけて、120度以上の熱であらゆる菌を死滅させ、無菌状態となった物を新たに患者さまへ使用します。
また、歯を削るドリルであるタービンヘッドも歯に直接触れることはありませんが、お口の中に入れる器具であり、血液や唾液、粘膜に触れる恐れがあり、タービンヘッドを滅菌せずに使い回していると、院内感染となるリスクが高まります。
院内感染を避けるためには患者さまごとに滅菌をかけ、院内感染防止に努めている歯科医院を選びましょう。
以上、今回は歯医者さんを選ぶ基準や選び方についてご紹介して参りました。治療を成功させるには、ご自身が何を目的に治療を受けるのかを診療科目と照らし合わせ、信頼のおける歯科医師であるか、設備は整っているか、衛生管理はしっかりと行われているのかをしっかりと見極めて歯科医院を選びましょう。
当院で治療をお考えの際には、お気軽にご相談ください。