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歯が黒くなる原因について

歯が黒くなる原因とは?

歯が黒くる原因のほとんどは「むし歯」です。まずはむし歯を疑うべきですが、むし歯以外でも歯が黒くなるケースもあります。歯が黒くなるのは下記の主な原因による物です。

歯が黒くなる原因

■むし歯によるもの

虫歯により歯が黒くなっている場合は、痛みも出ていることが多いです。虫歯である場合は黒い点であったり黒い筋であったり、歯の溝に沿って黒いこともあります。黒色の形や大きさはまちまちなので、あまり関係ありません。

歯の表面に見える黒い点が小さくても、むし歯が小さいとは限りません。歯の表面にあるエナメル質は非常に硬い組織ですが、その内側の象牙質はやわらかい組織です。そのために象牙質のほうが、むし歯が進行するスピードも早くエナメル質にはわずかな黒ずみしかなくても、内部の象牙質は大きくむし歯菌に溶かされているケースがあります。

虫歯かな?と思ったら、すぐに歯医者へ行きましょう。基本的に、むし歯は自然治癒することはなく、放置するほど進行するリスクが高くなります。進行すると、神経を除去したり抜歯したりするリスクも高くなるので要注意です。放置することで悪化してしまいます。

■着色・タバコのヤニ汚れによるもの

タバコのヤニやコーヒーお茶など、飲食物により歯に着色することがあります。歯は色の濃い食べ物や飲み物によって徐々に着色していきます。食べ物では、カレーやチョコレート、ケチャップ、ぶどう、ブルーベリーなど、飲み物では赤ワインやコーヒー、紅茶などが代表的です。

これらを飲食することが多い人は、徐々に色素が濃くなって歯が黒く見えるようになることがあります。飲食物以外で歯が黒くなる特に大きな原因がタバコです。ヘビースモーカーの人や喫煙期間が長い人は歯にヤニが付着して、黒ずんだ歯になりがちです。

詰め物・被せ物によるもの

詰め物や被せ物をしたところが黒くなっている場合は、それらが原因である可能性が高いです。詰め物や被せ物は長い間使っていると劣化してしまいますが、これは仕方のないことです。劣化により黒く変色することがあります。それほど長い間使っていないのに黒いという場合は、詰め物や被せ物の表面に着色しているだけかもしれません。

■黒い歯石によるもの

歯茎の近くに見える黒い点は、歯石によるものかもしれません。黒い部分を触るとザラザラしていたり、黒い部分が他より盛り上がっていたりすると歯石である可能性が高いです。これは歯が黒いのではなく、歯に付着している歯石が黒いために歯が黒く見えるケースです。

そもそも歯石とは、プラーク(歯垢)が唾液に含まれる成分によって硬くなった塊のこと。通常の歯石はクリーム色をしていますが、歯ぐきの近くや歯周ポケットに付着する歯石は、血液の成分を含んでいるので黒っぽい色をしています。特に歯周病にかかっている人は、歯茎からの出血があるために歯石も黒くなりがちです。

また、歯周病が悪化すると歯茎が痩せて歯根部分が露出してきます。そのため、歯茎に隠れていた黒い歯石が目立つようになることがあります。

■神経を抜いたことによるもの

むし歯が重症化して進行した結果、歯の神経を除去します。また、歯根が破折すると神経が死んでしまうことがあり、その場合も神経を除去する処置をおこないます。その歯はいずれ、黒ずんできます。黒い点などというよりは、歯全体が黒くなります。これは神経を抜いたことで歯は生命力を失い、栄養が届かなくなることにより起こります。

それぞれの対処法や治療法

歯が黒くなっている場合は、その原因を見極めて適切な治療・処置を受ける必要があります。放置しておいても健康上の問題がないケースもありますが、見た目が良くないので、一度歯科医院を受診した方が良いでしょう。

■むし歯で歯が黒くなった場合の対処法

むし歯によって歯が黒くなっている場合は、早急に歯科医院でむし歯治療を受けましょう。むし歯の進行段階はC1・C2・・・といった呼び方で区分されますが、C1・C2・C3のむし歯の場合は、基本的にむし歯部分を削り、削った部分に詰め物や被せ物をして噛む機能を回復させます。

なお、むし歯治療で使う詰め物・被せ物は保険診療か自費診療かによって使える素材が異なります。自然な見た目を再現したい場合は自費診療が良いでしょう。自費診療では主に白く透明感のあるセラミックを使用するため、見た目を自然にできます。

■着色汚れやヤニ汚れで歯が黒くなった場合の対処法

①着色汚れを落とすことに特化した歯磨き粉を使う

②歯医者でクリーニング(PMTC)を受ける

③ホワイトニングをする

対処法は大きく分けると3つです。着色汚れやヤニ汚れは病気ではないので、大きな心配はありません。とはいえ、見た目の印象を損なってしまうので、気になる場合は歯科医院で②のクリーニング(PMTC)を受けるのがいいでしょう。

PMTCとは専門的な歯のクリーニングのことで、歯科衛生士が専用の機器を使って口腔内の隅々までプラークや歯石、着色汚れを落としていきます。PMTCを受けることで、歯本来の白さを取り戻すことができます。それでも色が気になる場合は③のホワイトニングをすると、より白い歯に近づけます。

詰め物・被せ物による場合の対処法

歯医者で診てもらいましょう。詰め物や被せ物の表面に着色しているだけであれば、クリーニングにより落とすことができます。詰め物や被せ物の劣化による黒さであれば、作り変える必要があります。

詰め物や被せ物の劣化は仕方のないこと。新しいものに取り替えて白さを取り戻すしかありません。また、詰め物や被せ物の周り・下が虫歯になっていて黒い場合も、詰め物・被せ物を外して虫歯の治療となります。

■黒い歯石が付着している場合の対処法

黒い歯石が付着している場合、歯石を除去すれば見た目は改善しますが、それだけでは問題解決とならないケースが多々あります。黒い歯石の原因が歯周病である場合は、歯周病を治すことが先決です。

歯周病は、プラークに潜む細菌によって歯茎などの歯周組織が炎症を起こす病気です。歯周病を「歯茎から血が出るだけ」の病気だと思っている人もいますが、その認識は改めたほうがいいでしょう。

歯周病を放置しておくと炎症が顎の骨にまで及んでいき、顎の骨が溶かされていきます。顎の骨が溶かされると歯を支えきれなくなり、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。

黒い歯石が付いている原因が歯周病であるなら、早めに治療を開始して歯周病の進行を食い止めることが大切です。

■神経のない歯が黒くなった場合の対処法

過去のむし歯治療などで神経を除去したために歯が黒く見えることがありますが、これは病気ではありません。とはいえ、神経を除去した歯はトラブルを起こしやすいので、一度歯科医院を受診してみるのがいいでしょう。

病気が隠れていなければそのままにしておいて構いませんが、どうしても黒い色が気になる場合や、前歯などの目立つ場所の場合は、セラミック治療が選択肢になってきます。セラミック治療は、歯を少し削って、その上から白い被せ物などをする治療です。

使用するセラミックは周囲の歯のバランスに合わせて色や形を決められるため、本物の歯と区別がつかないくらいの自然な仕上がりになります。なお、神経を除去したために黒くなっている歯は、ホワイトニングでは白くできません。

まとめ

歯が黒くなる代表的な原因と、改善するための治療法・対処法は以下のとおりです。

・むし歯になっている歯が黒くなる  → 歯医者で早急なむし歯治療
・着色汚れやヤニ汚れで歯が黒くなる → PMTCで汚れを除去
・黒い歯石によって歯が黒く見える  → 歯周病の疑いがあるので、まずは歯周病検査を
・神経のない歯が黒くなる      → 白くしたいならセラミック治療がおすすめ

鏡を見て「歯が黒い」と感じたら、一度歯科医院を受診してください。根本の原因を除去できれば、本来の白い歯を取り戻すことができるはずです。

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