COLUMNコラム

30代から増える歯周病―働き盛り世代が陥りやすい生活習慣とは?

「歯周病は中高年のもの」と思われがちですが、実は30代から急増し始めることをご存じでしょうか。
仕事に家事に忙しい毎日で、つい後回しにされがちな歯のケア。しかし、油断していると大切な歯を失う原因にもなりかねません。
今回は、働き盛り世代が陥りやすい生活習慣と歯周病予防のポイントについて解説します。

30代から歯周病が増える理由

20代までは歯周病のリスクが低くても、30代になると急に発症例が増えていきます。
その背景には、日々の生活習慣の変化や体のホルモンバランス、ストレスの増加などが大きく関わっています。

なぜ30代から急増するのか?

・仕事や子育ての忙しさから、歯磨きやケアが手抜きになりやすい
・外食やコンビニ食が増え、バランスの良い食事がとりにくくなる
・喫煙や飲酒習慣が加わり、口腔内の環境が悪化しやすい
・ストレスの蓄積によって免疫力が低下しやすい
これらの要素が絡み合い、気付かないうちに歯周病のリスクが高まっていきます。

働き盛り世代が陥りやすい生活習慣と歯周病の関係

仕事やプライベートで多忙な30代は、歯や口の健康をおろそかにしがちです。
毎日の中にひそむ危険習慣を見直すことが、将来の歯の健康を守る第一歩です。

1.朝晩の歯磨きの手抜き・忘れ

早朝の出勤や夜遅くの帰宅で、つい歯磨きをさっと済ませたり、眠気に負けてそのまま寝てしまうことはありませんか?
歯周病菌は寝ている間に最も活発化します。夜のしっかりした歯磨きがとても重要です。

2.生活リズムの乱れと間食・夜食

不規則なシフト勤務や残業続きだと、「夜遅くに軽食」「仕事中のながら間食」が習慣化しがち。
食べる回数が増えると、口の中が常に食べかすや糖分で満たされ、歯周病菌が好む環境になります。

3.喫煙・過度な飲酒

タバコの煙に含まれる有害物質は、歯ぐきの血流を悪化させ歯周病を進行させます。
またアルコールも大量摂取で唾液が減り、口腔内の自浄作用が弱くなりがちです。

4.ストレスによる免疫低下

ストレスが続くと体だけでなく、口の中の抵抗力もダウン。
忙しいほど知らず知らずに歯ぐきの炎症が悪化し、気付かぬうちに歯周病が進行することもあります。

5.定期検診の後回し

「面倒だから」「なかなか時間が取れない」と歯科検診を先送りにしていませんか?
悪化してからでは治療も費用も大変。1年に1回は必ずプロのチェックを受けましょう。

働き盛り世代のための歯周病予防法

基本は丁寧な歯磨きと生活習慣の見直し

・朝晩2回、最低2~3分は歯みがき
・フロスや歯間ブラシをプラスしよう
・忙しくても夜だけは「ながら磨き」ではなく“集中ケア”を
「帰宅後すぐに歯を磨く」「寝る前に必ず歯磨きを習慣」にすると、虫歯や歯周病予防につながります。

バランスの良い食事と水分摂取

・野菜やたんぱく質、乳製品など偏りのない食事を
・間食や夜食を控えめにし、甘いドリンクより水やお茶習慣を
唾液の分泌を促すためにも、よく噛んで食べることが大切です。

禁煙・節酒・ストレスケアも大切

・「禁煙外来」や禁煙グッズの利用も検討
・飲み過ぎに注意し、週に2日は休肝日を
・ウォーキングや睡眠、趣味の時間でストレス管理

定期的な歯科検診&プロフェッショナルケア

・年1~2回は歯石・プラークを徹底クリーニング
・歯ぐきのチェックや生活指導を受けて、自分では気づきにくい変化も早期発見できます。

まとめ:30代からの習慣で未来の歯が決まる

歯周病は「誰でもなる」「年を取ってから」と油断せず、30代からこそ意識と習慣の見直しが大切です。
忙しい毎日でも、ほんの少しの工夫で口の健康は大きく変わります。
未来の自分のために、“今できること”を今日から一つずつ始めてみませんか?
健康的で素敵な笑顔を、いつまでも守っていきましょう。

この記事の監修者
この記事の監修者

浅井延彦

上荻歯科医院 院長

日本歯科大学を卒業し、上荻歯科医院の院長を務めている。豊富な知識と経験を持ち、日本口腔インプラント学会、顎咬合学会、日本メタルフリー歯科学会に所属し、最新の歯科医療技術の研鑽に励む。

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